「これで合ってるのかな…?」
帳簿をつけていて、そんな不安がふとよぎることはありませんか?創業間もないお客様から、私がよく耳にする言葉でもあります。
はじめての会計、慣れない帳簿づくりでよくあるつまずきポイントをまとめてみました。
現金や預金がズレてる…?まずは「残高」の見直しから
まず確認したいのは、「お金の出入り」がちゃんと帳簿に反映されているかどうか。
最初のころにありがちなのが、現金や預金、クレジットカードまわりの金額のズレです。
現金残高がマイナスに…
帳簿をつけていたら、現金の残高がマイナスになっていた。これ、じつはよくあります。
会社の備品を買うときにも、実際には、自分のお財布から経費を立て替えて払っているケースが多いと思います。その会計処理を「現金で支払った」という処理にしていたら現金はマイナスになってしまいます。
そんなときは「役員借入金」という科目を使って、「この経費は社長が立て替えた」ということにすればOKです。
帳簿上の現金は、マイナスにならないように調整しておきましょう。
ネットバンキングと会計を連携してるのに、預金が合わない?
口座と会計ソフトを連携していても、残高が合わないことがあります。「連携してるのになんで?」と混乱しますよね。
原因として多いのは、連携しているけど、取引を確定していないときです。取引確定(「この取引でOK」という操作)そしないと、連携していても記帳されず残高は合いません。
ほかには、期首残高は合っていますか。口座連携はしているけどなぜだろう、という場合には、「口座連携をはじめた日」よりも前の残高が反映されていないことも。
また、口座連携の取引を修正しようとして金額を書き換えてしまうことも、会計ソフトになれるまではけっこうあります。
毎月月末に、通帳と会計ソフトの残高を見比べて、早めに気づくようにしておきましょう。
クレジットカードの処理がややこしい…
クレジットカードで支払った分は会計上「未払金」という勘定科目と同じように考えられます。現金払いの場合は、その場で現金が減りますが、クレジットカード払いの場合、「買ったけど、まだ現金は出ていっていない」=つまり「未払い」ということになるからです。
この「カード払い」もズレが起きやすいところ。たとえばポイントで支払ったり、返品があったり、割引があったりすると、帳簿とカードの明細がズレてしまいます。口座連携をしていても合わないことがあるのです。
「なんか未払金(クレジットカード)が合わない…」と思ったら、カード会社の明細を見て、利用額と実際の引き落とし額を見比べてみてくださいね。
売上や仕入れの「もれ」はありませんか?
次に気をつけたいのが、売上や仕入れの記録もれです。
とくに、12月決算の個人事業主は、年末年始の取引に注意しましょう。
入金がない=売上じゃない… ではない
ありがちなのが、「まだ入金されてないから売上じゃないと思ってた」というケース。
でも、実際にはサービスを提供した日や納品した日で売上を立てるのが正解です。
たとえば、12月に仕事をして、1月に入金があった場合は、
仕入れも同じように
仕入れも同じで、「商品が届いたのは12月だけど、支払ったのは1月」という場合、12月に仕入れとして記録します。現預金の代わりに「買掛金」として計上します。
決算前には、「納品済みだけど計上してない取引」がないか、ふりかえっておくと安心です。
経費を「全部その年の分」にしてしまう
つぎは、経費の計上タイミングについて。
保険料などのまとめ払いに注意
たとえば、5年分の保険料を一括で払った場合、支払った年に全額を経費にしてはいけません。その年に該当する分だけを経費として計上して、残りは「前払費用」として繰り越しておきます。
例:年度始めに、60ヶ月分で60万円の保険料を払ったら、1年目には12万円だけを経費に。
「払った=その年の経費」と思いがちですが、期間に応じて分けておくのが基本です。
10万円以上の支出
10万円以上の支出についても注意しましょう。10万円以上の固定資産を購入した場合は、全額その年の経費にすることができません。青色事業者に認められている少額減価償却資産の対象として一度に経費にできる制度はありますが、申告書に明記が必要です。
10万円以上の支出は、経費にせずに資産にしておいて、要件を満たすものを最終的に償却(経費)にすると安心です。
帳簿のことで「これでいいのかな」と思ったとき、チェックリスト代わりにご参考ください。
「こんな感じでいいのかな」という感覚を大切にしてくださいね。
【日記】
朝の人通りが増えました。インバウンドの方も多め。
【姉妹日記】
私が次女を迎えにいっている間、長女がカレーライスを盛大にこぼして部屋に四方八方飛び散っていました。長女がとても気にいっている買ったばかりの白いお洋服についてしまって⋯涙涙で。一生懸命洗った跡もありました。落ち込みながらも後処理の段取りはよくて、服はさっと洗って漂白剤につけていました。