【税理士との対話】まずは数字から

「36℃だから日陰に行こう」という提案もむなしく⋯。

「税理士が提案してくれない」。
そんな声を耳にすることがあります。でもそれは、「提案しない」のではなく、「提案できない」状況なのかもしれません。
もしかすると本質的な問題は、「すれ違い」。日々感じていること、そして経営者の方に心がけていただけたら嬉しいことを、税理士の視点からまとめてみました。

「数字をみなければはじまらない」

「数字をみなければはじまらない」。
税理士事務所の方では、そのように思っていることが多いです。ここで言う「数字」とは、月次の試算表や決算書などの会計データのこと。
なぜそこからかというと、税理士の業務の多くは、数値をもとに判断・分析することが前提だからです。

経営状況がわかってはじめて、問題点を洗い出したり、必要なご提案をできるということを考えています。
税理士としては、数字に基づいたアドバイスしかお伝えしていないところがあり、たとえば「どんな従業員を雇うのがよいか」といった経営方針は、損益の数字からは導きにくく、そもそも専門家として求められていないことでもあります。

そのため、「まずは試算表から拝見したい」という状況があります。
現状を把握させていただいて、それをもとにお話しさせていただきたいと考えています。
その一方で、数字を確認できない状態では、具体的な提案を避けざるを得ない場面も出てきます。

試算表が完成物になることも

このように試算表の確認は、最初の関門でもありますが、場合によっては最後の完成物にもなります。試算表が整っていること自体が、簡単ではないことも多いからです。

お客様によっては、「試算表を作成して、税務申告書を提出してほしい」というご依頼がメインであることもあるでしょう。精査された試算表ができあがるまでの過程が、そもそも大変であったりもします。

そうすると、税理士側としては、まずは試算表を完成させることを目指すことになります。
たどりついた時点で「完成物ができあがった」という形になり、それ以降の新しいご提案にはつながりにくいこともあります。

たとえば、黒字の試算表をみて節税提案についてお話しすることがあるように、経営状況を知ってはじめて、必要なご提案について考えることができます。
ただ、それも「今後どうしていきたいか」がわかっていないと、どこに焦点を当てればいいのか判断がつきにくいという側面があります。

数字だけでもわからない

仮に数字が整っていたとしても、「数字を見ただけではわからない」ことが多いです。
それだけでは必要な提案に至ることができないことがあります。

たとえば、黒字が出ているとき、
・税金を減らしたいのか(節税)
・もっと利益を出して融資を受けたいのか
・役員報酬の見直しをしたいのか

この方向性よって、ご提案の内容は変わってきます。これは経営者の方ご自身のお考えにふれないことには見えてきません。逆にいうと、お考えを共有いただければ、数字が未完成な段階でも方向性を探りはじめることができます。

もちろんお付き合いが長くなったりするとまた変わってきますね。試算表の精査が基本ですから、何もご相談がないことも日常です。

けれど、もし気になることがあるようでしたら、それを教えていただけると、それを出発点に必要なご提案の道筋が見えてくるかもしれません。

 

【日記】
5時台起床。昨日の暑さで身体がだるい…と思っていましたが意外と早く回復。外出したらぬるま湯の中を進んでいるみたいでまた消耗しましたが。
今日お話した方の「割り切っていただければ」という言葉が印象的です。いい意味で。もやもやを切り離り前に進むための言葉でした。

【姉妹日記】
次女夕方眼科。長女は友人宅へ。

タイトルとURLをコピーしました